RS小説「禁断」第十一話「食事」 | 不吉な赤石の記録

不吉な赤石の記録

当サイトで利用している画像及びデータは、株式会社ゲームオンに帰属します。

許可無くご利用又は転用になられる事は出来ませんので、予めご了承下さい。

(C)2004-2006 L&K LOGIC KOREA CORPORATION. All Rights Reserved

(C)2006 GameOn Co., Ltd

港町ブリッジヘッドと鉱山町ハノブの間の道。
そこを赤いものが二つ、高速で横切る。

「もうそろそろよ。」
そう言ったのは、その赤い物体の上に跨った女性。
レナだ。
そして、この赤い物体。高速で動いているせいでよく見えないが、これは火の神獣ケルビーだ。
ケルビーは他の神獣達より力やスピードがある。そのため乗り物として使われることがある。
だが、乗り物と言っても神獣。そこらへんの馬などとは違う。
自然と心を通わせなければ出現させることすらできないのだ。
「さすがね。うわさどおりの天才だわ。」
ローラだ。彼女はロマ村で一番のサマナーとまで呼ばれた人物。
彼女の自然と心を通わせる能力は今までのサマナーの限界を超してしまったことすらある。
「少し教えただけですぐケルビーに懐かれるなんて。」
ローラはサマナーとしての技術をレナに教えたらしい。
「あなた、かなりのサマナーになれるわよ?」
この一言をローラが発した瞬間、一瞬だけレナの顔がくぐもった。
レナにはその気がない。彼女は生粋のビーストテイマーだった。そして、これからもそのつもりなのだろう。


たとえ、ペットを失っても。


今回、彼女達が旅に出た理由の一つがこれだ。
いきなり、ペット達が反逆してきたのだ。
彼女達はその原因を追究するために旅に出たらしい。


もう一つの理由が、ロマ村のテイマー、シーラだ。
シーラはレナと旅に出たが、モンスターの反逆の被害にあい、その後の消息が分かっていない。
レナはシーラと親友だった。なのでシーラは自分には何も出来ないと知りながらも、ローラについてきたのだ。


「ここが…ハノブ…」
ローラが辺りを見回す。ローラはハノブに来るのははじめてだった。
「ケルビー、お疲れ様。ありがとうね。」
二人はケルビーを戻す。ケルビーの姿が霧散し、どこかへ飛んでいった。
「おっと…」
レナの体がふらつく。レナはなれない神獣の扱いで弱っていた。


「…っと…大丈夫?」
いつのまにか、一人の女性が二人の前にいた。
女性はレナの肩を支えた。
その女性はこの町に暮らす冒険者のジェインだ。
「あなた達も冒険者?」
レナは首を縦に振る。
「そう…まあ、疲れてるみたいだし、うちに来る?」
ジェインはレナをしっかりと立たせると、住宅街の方角を指差して言う。
ローラはそれは悪いと拒否した。レナも遠慮すると言った。
そして…



「なんで私達ここにいるの?」
レナが問う。
何故か二人はちゃっかりジェインの家にいた。
「ほら、せっかくのご恩だし…。」
結局ローラが折れたらしい。
三人があーだこーだ言っていると、一人の男性が現れる。
スラリとした体系の青年、アルヴァだ。
「客か?」
アルヴァはローラとレナを見るなり、問う。
「じつは…」
ジェインはアルヴァに近づき、コソコソと話す。
話しているうちにローラが少しずつ接近してきているのに二人は気づかなかったようだ。
「…(ちょっと、ローラ!!」
そう小声で言いながらレナは身振り手振りでローラを呼び戻そうとする。
「待って、なんか気になるじゃない、もしかしてあれかしら?そう…こ…」
そこまで言いかけたところで二人はローラに振り向いた。
「…」
約五秒間空間が凍りついた後、レナが質問する。
「え…えっと…何の話してたの?」
なんとか凍りついた空気が元に戻った。
やっと話せると思い、アルヴァが話す。
「君達の村で起こったことに興味がある。もしかしたら、俺の問題と繋がっているかもしれん。」
「俺の…問題?」
四人は話し始めた。
まず、ロマ村に起こったこと。村中のペットが反逆し、モンスターが凶暴化。
それと、シーラと別れた日のデビルスカラー。
そして…禁じられた魔術。


全てを話し終わったとき、また空気が凍りついた。
空気が重かった。誰も何も話すことが出来ない。
ただ沈黙が続いていた。そんな時だった。
「ジェイン、いるんでしょ?」
小太りのおばさんが突入してきた。この家の大家だ。
「大家さん!!」
ジェインはいすから立ち上がり、大家に近寄る。
「まぁ、お客さん?ところで、お腹すかない?ちょっともらい物が多くて…」
大家は手に提げていた袋を見せる。
その中には野菜や肉や魚など、いろんなものが入っていた。
「あ、うん、じゃあ私がみんなに腕ふるったげる!」
ジェインが自信満々に言う。
そして肩を鳴らしながら、足早に台所へ入っていった。
「…大丈夫かしら…。」
大家が呟く。
ジェインは袋から野菜を取り出し、水で洗い、切ろうとしていた。


ズドンッ!!!


台所から石斧を振り下ろしたような音が聞こえた。


ズドンッズドンッ!!


何回も聞こえてくる。
「ちょ…ちょっとジェイン!?」
アルヴァは心配になり、台所を覗いた。すると…
包丁を持って大きく振りかぶったジェインがいた。かなり危ない。


「もういい、料理は俺がやるから…」
そういってアルヴァはジェインから包丁を没収した。
こんなんでよく今まで平気だったな…とつくづく思った。
「私も腕を振るうわよ!ふふ、旦那とジェイン以外に食べさせるのは久しぶりね。」
大家はうれしそうに体を振りながら台所へ入っていく。
「ああ、私も手伝います。」
ローラもあわてて台所に飛び込む。
「あ、えっと…その…」
レナはそのままじっと座って見ていた。


トトトトトトトトトトトトトトトトトトッ
心地の良いテンポの速い音が鳴る。
ローラが扱う包丁で食材は正確に、迅速に切り刻まれた。
あっという間に食材を切り終えたローラは盛り付けをしていた。
見た目もだいぶ美味しそうだ。


ジュワッ
アルヴァがフライパンを持ち上げる。
フライパンの上の肉が香ばしい匂いを放つ。
アルヴァはその上に野菜と調味料で作ったソースをかけた。
ソースがフライパンの上でジュワーッと音をたて、ぷつぷつと気泡を出した。


「ちょっと味が薄いかしら…」
大家はそういってしょうゆの瓶をもつと、手首を軽くひねった。
この長年の経験によりつちかわれた手首のスナップが極上の味を生み出すのだ。
調味料を入れる量は完全に目分量だった。
ご家庭でそれぞれ味が違う調味料もひと舐めするだけで使いこなしてしまった。
ベテランの力、というやつか。


そして、ごちそうが出来上がった。


「私、なにもしないのも何だから…得意料理を…」
そういってジェインがこっそり台所に入ってきた。
肉の塊をとりだし、ちぎって、特製のたれにつけた。
特製のたれはしょうゆと酒と塩と砂糖を混ぜたシンプルなものだ。
それを野菜と串刺しにし、コンロの上に網をのせ、焼きだした。
…豪快だ。


…豪快だがまあまともに食べられるものが出来た。


「えっと…私何もしてないんですけど…?」
レナが申し訳なさそうに言う。
「いいのいいの。具合悪いんでしょ?まぁ私が言うのも何だけどね。」
少し肩をすぼめてジェインが言った。
「じゃ、いただきまーす。」
全員がごちそうを食べ始めた。
三人が、しかも全員料理上手が腕を振るったものだけあってさすがとしかいえない味だった。
その中でも大家は別格だった。長年の経験による洗練された味は感動すら生んだ。


「ごちそうさまー。」
楽しいときはあっという間に過ぎていった。
全員が食べ終わった、その時…



ボワッ!!
台所から奇妙な音がする。
「…!!やばっ…」
ジェインが呟く。
なにが起こったのかと全員は台所を覗き込む。すると…


大炎上。
「ちょ…キャーキャー!!」
レナが思わず騒ぐ。
アルヴァは杖を取り出し、ローラは水の神獣、スウェルファーを呼び出した。
「チリングタッチ!!」
冷気を帯びた杖で炎を殴る。火の勢いが弱まった。
「アクアバン…だめ、これじゃ家壊しちゃう…スウェルフィッシュバブル!!」
ローラは炎を泡で覆う。確実に火の勢いは衰えていった。
「あんたたちなにチマチマやってんの!!」
いつのまにかどこかへ行っていた大家はホースを持って戻ってきた。
大家はホースから勢いよく水を発射する。


ようやく火は消し止められた。
「まったく、何したんだ…」
アルヴァはあきれたようにジェインに聞く。
「…火、消し忘れてた…」
ジェインは苦笑いしながら言う。
ジェインはその後も誤魔化すように苦笑いを続けていた。


-----続く-----

日常のところが増えてきたので小説。少しの間日常の話は封印しようかな…

はい、ギャグw


ジェインは料理が苦手なんです。

唯一の得意料理がまさにの料理なんです。


やべぇwメインヒロインの美人度がDくらいまで下がったww(ココ参照


なんとか巻き返さなければwwではww

See you next time!(^▽^)ノバイバーイ