※ 設定 EDについて ※
「なんとか…逃げ切らなければ…」
かなり息の荒い男性の声。
ロングコートをひるがえしながら、靴の音を響かせ走っている。
何かから逃げるように。
「やっと…ゼハッ…ついたか…ゼハッ…」
彼がたどり着いた小さな町。ここは鉱山町ハノブ。
周りにもそれほど強力なモンスターは居なく、争いも少ない平和な町だ。
彼は脱力し、ぐったりと地面に座り込んだ。
「ゼハッ…ふぅ…ここまでくれば…大丈夫だろう…」
彼は傷だらけだった。
深い傷はないものの、細い傷が体中に刻まれていた。
彼は今までしっかりと握っていた杖を振る。
チャージングだ。ウィザードたちはこの技術で自分の魔力を増幅する。
それが終ると彼は杖を掲げ…
「アースヒール!!」
呪文を唱える。これはスマグのウィザードたちの回復呪文だ。
地の気を吸い上げ、傷を癒す。
彼の傷はみるみるうちに治っていった。
この魔法でさらに疲労が貯まったのか、彼は余計にぐったりとした。
「見つけたぞ!!アルヴァ!!!」
別の男の声。その男はEDで仲間に連絡を…
光が走り、その男のEDを吹き飛ばした。
「…ファイヤーボルト…!!」
アルヴァと呼ばれたウィザードはすでに杖を持ち、立ち上がっていた。
ファイヤーボルトはスマグのウィザードの基本魔法。
小威力だが衰弱しきった彼には急にはその程度の魔法しか使えなかった。
「ぐ…こいつ…!!こんなピンポイントに魔法を…」
男は杖を振り上げながら言う。彼もウィザードのようだ。
「…フォーベガーチャージング!!」
これはチャージング技術の中でも一番高度な技術だ。
発動にある程度の魔力と技術が必要だが、最高レベルの効率を誇る。
「ヘイスト!!」
彼は呪文を唱え終わるとものすごいスピードでアルヴァに襲い掛かる。
「チリング…」
男は呪文を唱えながら杖に水の魔力を流す。
アルヴァは急な接近に対処しきれなかった。
「サプライジングレイド!!」
女性の声。次の瞬間、ものすごい速度で女性が男に接近する。
「があぁ!!!」
男は吹き飛ばされた。女性はすっと背筋を伸ばし、槍をかまえる。
どうやらランサーのようだ。
「大丈夫?」
女性がアルヴァに聞く。
「ああ…」
アルヴァは答えながら、杖を振りチャージングを行う。
「全く、迷惑ごと持ち込んで…。どっちが悪者だかわかんなかったからなんとなく不細工なほうぶっ飛ばしたけど良かったの?」
結構豪快な性格のようだ。
「ぐうぅ…」
男が呻きながら立ち上がる。
「このアマァ!!!何してくれやがる!!もう少しで…!!!」
男は杖を振り回す。
「ヘイスト!!!ファイヤーエンチャント!!!!」
呪文を唱えると、男はさっきのように一気に接近してくる。
「ありがとう、下がっていてくれ。」
アルヴァは女性を自分の後ろに立たせ、杖を構える。
「…下がってって…!!あんたボロボロじゃない!!何が出来るの!?」
アルヴァは答えず、男の動きを目で追う。
「うおらぁあ!!!」
男が一気に接近する。
「…(射程内に入った!!今だ!!)」
アルヴァは杖を掲げる。
「メテオシャワー!!!」
彼の呪文と共に轟音を上げながら巨大な隕石が降る。
「なっ…!!ばかな、あれだけ衰弱していてこんな魔法が…!!!」
メテオシャワーはスマグの魔法の中でも最高難度の魔法。
しかも同じ最高難度の魔法の中でも一番消耗が激しい呪文だ。
衰弱しきったウィザードが唱えるには厳しすぎる魔法だ。
男は対抗するために呪文を唱える。
「チリングタッチ!!」
男は杖にありったけの魔力を流し込んだ。
しかしあくまでチリングタッチは低級魔法、実用性はばつぐんの魔法とはいえ威力では最高難度の魔法、メテオシャワーにかなうはずも無い。
爆発音が鳴り響く。
「ぐっ…」
力を出し切り、アルヴァはぐったりと膝をつく。
「大丈夫?…全く、無理するから…」
女性がアルヴァを支える。
「まだだぁ!!!なめるな!!!」
「…っ!!!」
男は立ち上がり、杖を構える。
「あんたは休んでて。」
そういい残すと、女性は槍をかまえ、男に駆け寄る。
「来んなぁ!!チリングタッチ!!」
男は冷気のこもった杖を振り回す。しかし、女性にはかすりもしなかった。
「…サイドステップ…」
ランサーの回避技術だ。女性は隙を見て、男に攻撃を浴びせた。
「エントラップメントピアシング!!!」
ランサーの上級攻撃技術。
分身して男を取り囲み、突く。
「があぁ!!!」
攻撃を食らった男はぐったりとその場に倒れる。
女性は男を跨ぎ、見下ろしながら言う。
「死にたくなかったら、帰りな。」
「くそぉ…くそぉ!!」
男は魔力のこもった石を使い、テレポートしていった。
「さて、なんなの?これは?っと、その前に、アンタは?私はジェイン。見てのとおりのランサー。」
女性はアルヴァを起こしながら聞く。
「俺は…アルヴァ。スマグのウィザードだ…。」
アルヴァが息絶え絶えに言う。
「で、なんだったの?」
ジェインがさらに聞く。
「俺は…追われているんだ。スマグのウィザードたちに。」
深刻な口調だった。
「…いいわ。まずは私の家に来なさい。」
ジェインはアルヴァの手を引き、住宅街へ向かっていった。
-----続く-----
はい、第一話ですー。
元バージョンの第一話のリメイク的な感じですね。
スッキリと読みやすく…なってたらいいな。
さて、チリVSメテオの描写ですが…
チリに恨みはないんですけど…流石にチリでメテオをカキーンはないなと思ったので
こういう描写に…www
ネイビー さんのところからED の設定使わせてもらいました。
いきなり吹っ飛んでます(ぁ
こ、、こここ、こんな使い方してごめんなさい><